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2009年7月17日 (金)

自治体の指定管理者と税金

江東区の自転車駐車場の管理や指定管理者のあり方については、たびたびここでも取り上げてきましたが、今回は、税金について書いてみたいと思います。

江東区の自転車駐車場の指定管理者の一つである財団法人自転車駐車場整備センター(以下センターと略)の収支報告を見たところ、固定資産税と消費税が支出の中に含まれていました。私は区の施設の利用料金に消費税が含まれているとは思っていなかったので、使用料(これは区が直営で行うサービス)や利用料にかかる消費税について調べてみました。

戸籍の写しなど自治体だけが行うサービスについては消費税は非課税なのですが、基本的には自治体の手数料や利用料のすべてに消費税は含まれている、ということだそうです。

しかしながら、自治体は消費税を納めてはいません。

というのは、消費税法60条の6に「6  第一項の規定により一の法人が行う事業とみなされる国又は地方公共団体の一般会計に係る業務として行う事業については、第三十条から第三十九条までの規定によりその課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができる消費税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、当該課税標準額に対する消費税額と同額とみなす。 」という条文があるためです。でもこれだけ読んでも何のことか、よく分かりませんよね。

消費税というのは、例えばパン屋さんで考えてみると、お客さんがパンを買ったパン代にも含まれています(A)し、一方でお店がパンを作る原料などを買う時にも含まれて(B)います。お店としては、このA-Bのぶんだけ、消費税を納めることになります。Bが大きくてこれがマイナスになれば、還付ということにもなるわけです。

自治体の場合、消費税を一つひとつ計算していったらかなり膨大な量になるはずですが、60条の6は、自治体においてはこのAとBを同額であると「みなす」、ということにして(これは実際にはありえないことなのですが)、事実上、納めるべき消費税額が差し引き0円になる、ということになっているのです。

自治体だから非課税、ということではないのがややこしいところなのですが…。

しかしこの60条の6の対象となるのはあくまで国と地方公共団体のみで、指定管理者はこの特例の対象には含まれていません。そのため、指定管理者は消費税を納めなければならないことになります。

先ほど書いたセンターの固定資産税にしても、区の直接所有する施設であれば、支払わなくても済むはずのものです(なお、指定管理者は原則的には施設を区が所有しています。このセンターの管理する駐輪場はあくまで例外的なケースです)。

なぜこれほど長く税金の話を書いたかというと、自治体の仕事を外部化した場合、その経済的負担の増減がどうなるのか、それを誰が負担するのか、疑問を感じているからです。

実際の支出をどこまで利用料金に反映させるかは区の判断ではありますが、少なくとも、消費税の支出は、自治体の直営に比べて余分に発生していることになります。人件費などは安いが良い、とは私は思っていませんが、少なくとも消費税については、アウトソーシングがコスト削減につながる、という定番のキャッチフレーズがあてはまらないことになります。

なお、実務的に細かく言うと、江東区の指定管理者の多くを占める財団法人・社団法人については、全国的に公益法人改革というものが進行中で、その法人の組織的性格や事業内容等により特例規定などがあり消費税の納税も影響を受けるのですが、詳細はとても煩雑になるので省略します。これはまた別の機会に。

それにしても、税金て難しいですね。

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コメント

HNで失礼いたします。

税金、本当に難しいですね。

学生時代に法律をかじった程度の私ですが、半端に学んだからなのか、余計難しく感じております。

投稿: ときお | 2009年7月17日 (金) 20:39

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