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2015年10月22日 (木)

沖縄・辺野古への新基地建設をめぐる問題について

 10月13日、翁長沖縄県知事が、政府が米軍基地をつくろうとしている辺野古の海の埋め立て許可(前の県知事が出したものです)には、手続き上の不備があったとして、許可を取り消しました。これにより、日本政府は埋め立てを行う法的根拠を失ったことになります。法的根拠がないのですから、現状では政府は埋め立てを行うことはできません。

 これに対して政府の出先機関である防衛省・沖縄防衛局は、承認の取り消しに対抗するために、行政不服審査法という法を使い、沖縄県知事の行為が不服であるため執行停止を求めるとの申し立てを「私人」として行いました。これは、平和を求める沖縄県民の民意に背くばかりか、法治国家としての手続きを無視した強権的な行為です。そして、沖縄県に犠牲を押し付ける、政府による差別だと思います。

 「行政不服審査法」は行政による国民の被害を救済するための法律です。行政のトップに立つ政府が、自らの方針に従わない自治体や国民をむりやり従わせるための法律ではありません。軍事基地を作ることはできるのは政府が「私人」ではなく国家だからこそです。これは明らかに政府の法律違反です。

この勇断を行った翁長知事は、9月には、国連で、辺野古の埋め立てを何としても止める、と訴える演説を行いました。その演説では沖縄の「自己決定権」がキーワードとなっています。これに大きく関わるのが、2007年に国連総会で採択された「先住民族の権利宣言」という宣言です。これは、先住民族の人々を主体として定め、自己決定の権利や土地や文化に関する権利を保障することを宣言した画期的な宣言です。
この宣言を踏まえ、昨年の9月には、国連先住民族会議が開かれました。その分科会で発言された糸数慶子さん(沖縄選出の国会議員)の発言要旨が、この宣言に照らして辺野古への新たな基地建設の何が問題かを分かりやすく訴えていますので、ご紹介したいと思います(2014.9.25琉球新報の記事より)。以下引用です。
  ◇  ◇  ◇  ◇  

 先住民族の権利を履行するという、日本政府の概括的な立場は歓迎したい。しかし日本政府が琉球民族を先住民族と認めていないことは大変遺憾に思う。

 国連先住民族権利宣言18条の意思決定に参加する権利を強調したい。この権利は、同宣言3条における自己決定権の行使の一形態だ。琉球民族は長年、沖縄の米軍基地に反対してきた。日本の面積の0・6%を占めるにすぎない琉球・沖縄に、在日米軍専用施設の74%が集中している現状は明らかな差別だからだ。

 しかし日本政府はこの意見を全く考慮せず、むしろ辺野古と高江に新たな軍事施設を建設しようとしている。琉球民族の多くが反対する基地建設の強行は、意思決定に参加する先住民族の権利に明白に違反するとともに国連宣言30条の軍事活動の禁止にも違反する。
 従って日本政府に、琉球・沖縄の先住民族の意見を尊重するよう要求する。
(引用終わり)
  ◇  ◇  ◇  ◇  

辺野古への基地建設の問題は、国際的にはすでに日本政府による少数民族に対する差別とみなされているのです。翁長知事、糸数議員の訴えを読み直して、私自身も、こういう視点で考えることがもっと必要だと、改めて思っています。

日本政府がいま沖縄で行おうとしていることは、国内法への違反であるばかりか、国連のこの宣言にもまったく相反する行為です。憲法も法律も国際的な取り決めも無視して暴走を続ける、日本政府のこのような行為一つひとつを見過ごしてはならないと思います。
引き続き注目していきたいと思います。

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