障害者

2018年12月 3日 (月)

「聞こえの保障」を行政から

年を重ねるごとに、ご高齢の方と接する機会が多くなりました。その中で強く感じることの一つが、聞こえにくさを感じている人はとても多い、ということです。

 先日も補聴器を使っている方とお話していましたら「人数の多い集まりは聞こえづらくて行くのはちょっと気が進まないの」というお声を頂きました。また、補聴器を付けている方は外からわかりますが、付けていない方も、会話の人数が多くなったとたんに、置いてきぼりにされたような寂しそうなお顔になる方をお見かけすることがとても多いのです。聞こえづらさが理由で家にこもりがちになる方も、多くおられるのではないでしょうか。

 WHO(世界保健機構)の推計では、日本で550万人もの方が難聴(※障害者手帳を持つ人に限らない数字)だそうです。そのわりには、「聞こえの保障」は進んでいません。

 誰もが年齢とともに、身体が思うようにならなくなることは増えてくるものです。障がい者が過ごしやすい地域作りは、誰もが過ごしやすい地域作りにつながります。

 自治体の施設などで磁気を使い会議などを聴きやすくする仕組みを導入しているところもあります。江東区も「聞こえの保障」に積極的にとりくんでほしいと思います。

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2018年10月30日 (火)

障害者雇用 江東区も不足

 障害者の就労を進めるために、国は「障害者の法定雇用率」を定めています。しかし、中央省庁で、実態とかけ離れた大幅な水増し報告が行われていたことに続き、江東区も法定雇用率を守っていなかったことが、新聞報道で明らかになりました。
 民間企業では昨年度まで2.0%、国と自治体は2.3%が障害者の法定雇用率とされ、今年の4月1日からはさらに2.2%と2.5%に引き上げられました。法定雇用率を達成できない場合には罰則として納付金を納める義務が課せられています。
 江東区は、障害者雇用率2.45%と報告されていたのですが、実際には1.38%でした。今回の中央省庁の件をきっかけとした再点検の結果を見ると、23区では江東区が雇用率が最も低く、多摩地域を含めた東京の市区でも府中市に次ぎ下から2番目です。また、法定雇用を下回った自治体のうち、このことをHPで公表していないのは、23区で江東区と中野区だけ(10月29日現在)です。
 障害者を採用する時には原則として障害者手帳を確認する流れになっています。これはどのような支援や配慮が必要かを確認するのに必要なことだからです。しかし実際にはそのような規定も軽視されていたようです。
 ここまで実態と異なる人数が報告されていたことは、制度上の不備というよりは、障害者の社会参加の促進について、国や自治体がどこまで本気で考えてきたのかが、問われているのだと思います。江東区は、この問題について、まずは事実経過と原因、今後の対応策を、早急に発表するべきではないでしょうか。

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2015年3月 2日 (月)

もっとバリアフリーを

金曜日に行きつけの美容院に行き、カットしてもらいながら色々お話をしていました。お客さんには70代くらいの方も多くいらっしゃるとのことで、お店の構造も段差の解消などバリアフリーが必要だと思う、とお話しされていました。
余り知られていないのですが、昨年、日本政府は障害者権利条約に批准し、2014年2月から、この条約は発効しています。条約を批准したのですから、社会の様々な場で障害者差別をなくしていくとりくみが必要です。
高齢者の方とお話していると、車椅子が必要などの身体的な様々な理由で、投票所に行けない、という方が多いです。バリアフリーを、公共の場所や特別な場所だけではなく、私たちが日々使うあらゆる場で、進めていく必要があるのではないでしょうか。

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2013年12月 2日 (月)

障害のある子とない子がともに学ぶために

昨日はDPIの障害者政策討論集会に行ってきました。

先日も書きましたが、今年の6月に障害者差別解消法が成立しました。このことを踏まえ、今後は障害者の就労や教育など、各分野で差別解消に向けた具体的なガイドラインを作成していくことになります。

これまでの「学校教育法施行令」では、障害児は現在、原則として特別支援学校へ入学し学ぶこととされ、普通学校への入学は「認定就学者」という、あくまで例外として位置づけられてきました。

この「施行令」が今年の9月1日に、10年ぶりに改正されました。→ 学校教育法施行令の一部改正について(通知) 。これにより、今後は「総合的な観点から就学を決定する」となりましたが、原則として普通学校に入学する、とは書かれていません。

どの学校に入学するかを決める最終的な権限は、市町村の教育委員会が持っています。国の打ち出す方向性があいまいなままだと、普通学校に入学したい場合でも「おたくのお子さんのことを総合的に考えた結果、特別支援学校への就学を決定しました」というこれまで通りの就学決定が大いにありうるのではないかと思います。

もちろん、特別支援学校への入学を保護者が本人が希望する場合にはその希望に沿った決定がされるべきと思います。しかし障害者基本法では「障害のある子とない子が可能な限り共に教育を受けられるよう配慮」することを決めています。国はこれに沿った明確なガイドラインを打ち出すべきでしょう。

また、現状では「普通学校に入学を希望するなら、保護者が授業中の付き添いをしてください」などと言われることなどが、大きな壁になっているとの報告もありました。「共に学ぶ」理念を実現していくガイドラインと、学校現場をはじめとした自治体発のとりくみが求められています。

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2013年11月25日 (月)

批准へ向かうか 障害者の権利条約

特定秘密保護法をはじめ悪法だらけの今国会ですが、先週障害者権利条約への批准承認する議案が衆院を通過ました。参院を通過すれば本格的に、日本も障害者権利条約への批准の手続きがととのうことになります。少しだけ、ほっとするニュースではあります。

現在137ヶ国とEUが批准しているこの条約に参加すると、障害者への差別禁止を国内法においても実施していくことになります。今年の6月に、障害者差別解消法が成立したことを受けて、今回の条約承認へと段階が進んできたことになります。

といってもそもそもこの条約への批准の話は何年越しでされてきた議論で、当事者団体からは「条約だけ先んじて批准しても国内法の整備がすすまないままではどうか」と、国内法の整備をまず進めてきたという経緯があります。今回の衆院の議論でも、どこまで法整備が進んだのかを中心に議論されたようです。

日本は人権問題に関連して国連から70以上もの勧告(強制力はないが指導というニュアンスが近いものです)を受けています。それらに対して日本の政府は、国内で余り報道されないのをいいことに、知らんぷりを決め込んでいるそうです。本当に恥ずかしい話です。

そのような中で進んできた障害者権利条約への歩みは、当事者の皆さんのたゆみない活動があってこそのことだと思います。これを機に、人権を尊重するための国際的な枠組みに、日本が今より少しでも積極的に関与していくことを望みたいと思います。

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2011年3月 2日 (水)

今日の予算委員会から

今日(3月1日)は新年度の予算委員会3日目が開かれ、私は障害児・者の通所訓練施設への区の今後の支援について取り上げました。これらは、障害者の授産施設と、障害児の放課後の居場所となっている施設です。

いま障害者をめぐる法律は過渡期にあります。「応益負担」の論理、で利用者に大きな負担を強いることとなった障害者自立支援法は、障害者の圧倒的な反対の声の前に廃止が目指されています。そして2013年までには、それにかわる障害者総合福祉法の施行が閣議決定されています。

とはいえ自立支援法の法体系はいまでも続いており、昨年12月の同法改正により障害児の放課後支援などが法的に新たに盛り込まれました。

そして来年4月には障害児・者の通所訓練施設(現状では法的には位置づけのないいわゆる「法外施設」)も、新たな改正障害者自立支援法に位置付けられた「法内施設」への移行がめざされています。

とはいえ、では法に合致する施設の基準が具体的にどのようなものであるのかは、いまだに明らかにされていません。厚生労働省の日程では、今年の6月頃に骨格案が明らかになるようですが、今はまったく分かりません。

そのために、将来の見通しがたたず、何より、これから現状の施設が存続できるのかも含めて大変不安に感じる、という声を障害児の通所訓練施設の運営にかかわっている方や保護者のかたから、いただきました。

そもそも、これらの施設が法的に位置づけがない理由というのは、もともとは行政がとりくめてこなかったし法的にも位置付けられてこなかったものを、必要とする保護者が行政に先駆けて、自力でつくり運営してきた(区の財政支援を受けてはきましたが)からこそなのです。

いまある施設について、面積や人員配置等で厳しい基準が示されれば、それを現状のままでクリアすることができるのかは、なかなか難しい問題です。

そこで今日の予算委員会では、過渡期であるこの時期に、江東区が障害児・者の通所訓練施設の運営にかかわる当事者の声を最大限尊重してとりくみをすすめてほしいということ、等を質疑でたずねました。区からは、当事者と連携を密にしながら進めていく、という回答を得ました。

障害児にとっては、放課後の居場所は、もちろん通常の学童クラブはありますが必要としている人数からすれば受け皿としては足りないですし、これら施設がなくなったらそれに代わる場所はありません。

法制度が刻々と変化するなかで、対応をせまられる現場の人たちは本当に大変な思いをしています。障害を持つ子たちが放課後を楽しく過ごせる場所を、区は、守り、支え続けていってほしいと思います。

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2010年9月13日 (月)

難聴の人たちへの要約筆記者派遣事業

午前中、新宿にある「東京手話通訳等派遣センター」に行き、お話をうかがってきました。

障害者自立支援法の中では障害をもつ人たちの地域生活事業の一環として「コミュニケーション支援」が必須の事業として位置付けられています。このコミュニケーション支援の一つとして、手話通訳・要約筆記者の派遣があります。

区の窓口に依頼すると区の負担で(23区では、利用者の負担は無料)この派遣センターに依頼連絡が行き、必要な日時に通訳者が派遣されるという仕組みです。

昨年度の派遣実績を見せていただくと、派遣者数264名という練馬区を最多として、少ないほうでは派遣者数なんとゼロの品川区まで、区によって大きなバラツキがあることが分かりました。江東区内への派遣者数は82名でした。

派遣者の数は、通訳する方法により1件につき2名または4名の派遣になることを考えると、江東区では、制度がよく利用されているという実績とは余り言えないように思います。「2009.xls」をダウンロード

全体に利用は増加傾向にあるとのことでしたが、まだ潜在的にある需要と実際の利用件数にはギャップがあるのではないでしょうか。

地域生活支援事業は市町村の行う事業ですので、自治体の裁量次第でその利用のあり方は大きく変わってくるものと思います。利用しやすい制度にしていくための周知と改善が必要なのではないでしょうか。

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2010年5月31日 (月)

障害者自立支援法の一部改正

国政は普天間問題で大揺れですが、他にも見過ごせない問題が起きています。障害者自立支援法の一部改正です。5月28日に衆院の厚生労働委員会を通過しました。

障害者自立支援法は障害者への大きな負担増であったことなどから裁判が起き、国と原告が和解、障害をもつ当事者がかかわって新たな法律制定にむけ議論を進めている途中でした。

今回の法改正は自民公明が改正案を提出し、民主が提出し、これらの案は取り下げてそれらを若干修正した厚生労働委員長案について審議、社民と共産は反対し他が賛成して衆院通過した、という経過です。

一方で障害当事者の意見を聞きながら他方で唐突に改正案を出すというやり方に、今まで進めてきたことは何だったのか、と障害者から怒りの声が集中しています。手続きだけでなく内容的にも拙速との批判がでています。なぜこのようなことになるのか、まったく理解できません。十分書ききれず申し訳ありませんがぜひ多くの人に知っていただきたいと思います。

法律骨子案

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2010年5月18日 (火)

今ごろ知りましたが…

区議会の議会運営委員会を傍聴してきました。

その中で、「専決処分」に関連して、障害者自立支援法の集団訴訟の原告の中に江東区内在住の方がいた、ということが報告されました。訴訟当事者として国とともに江東区も被告として訴えられていたということなのですが、裁判が和解に至った、という報告がありました。

この訴訟の国との和解はニュースになりましたのでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

しかしこれは、訴訟が提起された時には、区が被告として訴えられたという経過が、区議会に報告があったのでしょうか…?記憶があいまいなので確かなことは言えないのですが。

ともあれ、訴訟当事者として原告と国が確認した事項~同法への反省と総括、その他~を、区としても確認したとのことです。区の障害者施策も、今後その視点に立ってのとりくみが求められるのではないでしょうか。

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2010年4月 4日 (日)

指先からつながる世界

昨日から、福島智(さとし)さんの書いた本「生きるって人とつながることだ!(素朴社)」という本を読んでいます。エッセイ集で読みやすいけれども、なかなか深いです。

福島さんは見ることと聞くことができない「盲ろう」の人です。9才で視覚を失い、18才で聴覚を失ったと本に書かれています。そのため周囲の状況把握を含めてコミュニケーションに大変なハンディを負っています。

視覚に加え聴覚をも失った息子とどうコミュニケーションをとればいいのかと試行錯誤した末に、福島さんのお母さんがたまたま発明(発見?)した「指点字」という方法でコミュニケーションをとっています。

視覚障害者で点字を習得した人は、通常は紙に打たれた「点字」から情報を得ることができますが、「指点字」は、通訳する人が、盲ろうの人の手の指の上に直接手で点字を打っていくやり方で、話したいことや周囲の状況(駅に着きました、とか、Aさんが来たよ、とか通訳者以外の人の発言内容など)を、特別な道具無しに、同時並行で伝えることができます。

このような指点字ですが、このコミュニケーションがない時は、テレビのコンセントを抜かれてしまったような状態である、と福島さんは書いています。光と音のない世界。

この本は昨日新宿で購入したのですが、その前にはたまたま、金政玉(キム・ジョンオク)さんという、DPI日本会議という障害者団体で活動している人のお話を聞く機会がありました。

金さん自身、車イスを使用する障害者ですが、その勉強会には様々な障害をもつ人が参加し、熱心に話を聞いていました。その講演を伝えるために、手話通訳や要約筆記などが行われていました。

その後、本を買うため立ち寄った新宿の街は人があふれていました。それを見て「でもこの中に、障害をもつ人がどれだけいるのだろうか?」と考えてしまいました。

「情報の保障」をはじめ、これからは障害をもつ人への合理的配慮、というものが様々な面で必要になってくるはずです。

福島さんの本は、このようなことを色々と考えさせてくれる一つのきっかけになると思います。ぜひ一読をおすすめしたいと思います。

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