保育園と株式会社
今日は区議会厚生委員会を傍聴してきました。午前10時から約3時間にわたる委員会の中で一番多くの時間をかけて意見が出たのは、「保育の質」についてでした。
今回、保育所を運営する「指定管理者」について、新規の指定と再指定が議案でかかっていたのです。 江東区は十年前から、指定管理者制度で公共施設の管理のアウトソーシングを本格的に進め、今では120ヶ所にものぼる区内の施設を、指定管理者が管理しています。この指定管理者を決めるのは最終的には議会なのですが、実際には区が評価した候補法人を議会が多数決で追認、という構図になっています。
保育園も多くが指定管理者による管理になっています。それでも以前は社会福祉法人が指定されていたのですが、もはや次々作られる園の数に社会福祉法人の数がとうてい追いつかず、株式会社が多数参入しています。
今日の委員会では、保育園の再指定先としてあがったのはすべて社会福祉法人でしたが、南砂第四保育園の新規の指定先として挙げられたのは、「日本保育サービス」という株式会社でした。
江東区内ではいま、株式会社の運営する保育園で不祥事や園児が激減するなどのトラブルが多発しています。亀戸でも株式会社の運営する2つの園(これらは認証ですが)において、園児が10名を割り込むという事態にまで至っています。うち一つの園については議会で保育課長が「とにかくこんなにひどい話は聞いたことがありません」とまで言う有様です。
多くの園で経験豊富な保育士が十分に確保できていない現状が影響していると思いますが、ここまで園児が激減するというのは、そもそも運営の理念や体制が保育の場として妥当なのか、疑問に感じざるを得ません。
委員会では、区内の保育園(認証など含む)のうち既に49・6%、約半数が株式会社の運営であるとの実態も明らかになりました。 保育園でトラブルが多発している現状を踏まえれば、認可保育園の運営への株式会社の参入には、規制が必要なのではないでしょうか。皆さんはどう思いますか。
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