教育

2018年10月18日 (木)

藤原文科事務次官の「面従腹背をやめよう」の真意は何か

 10月16日に就任した藤原誠・文部科学省事務次官が職員向けの就任挨拶で「面従腹背はやめましょう」と呼びかけた、という朝日新聞の今朝の記事がありました(10月17日朝刊)。産経新聞では「藤原誠文科事務次官が“脱前川”宣言?」という見出しで報道しています。

 「面従腹背」とは、外面的な行動では従いながらも、内心は抵抗している、という状態を指す言葉です。それをやめましょう、と呼びかけるのは、外面だけでなく内面までも従うことを求めている、という意味にもとれます。また、「『決めた後、議論のプロセスをむやみに外に流さない』と求めた」ということは、政策の決定過程を検証する場合も行政職員は関与しないようにと、求めているということなのでしょうか。

 今回の就任挨拶は、前川喜平・元次官の考えに距離を置いて働く、という宣言にとれます。しかし同時に、教育行政で組織として決定したことは内心の自由に優先する、という価値観をもしかしたら示しているのではないかと、懸念を感じます。

 行政官から政治家への直言が難しいのは百も承知ですが、「組織が決めたことに従う」を一番実践していないのは、安倍総理や内閣の面々です。何といっても国が決めた憲法を守っていないのですから。


 政権批判をした前川元次官に距離をとる発言を行いつつ行政職員にこのような指示をすることが、憲法が保障する諸権利に敏感であるべき教育行政のトップとして妥当なのでしょうか。疑問を感じます。

 以下、記事より抜粋します。全文は写真でご覧下さい。
~~(以下、引用)~~
◆文科次官に藤原氏就任 「面従腹背やめよう」訴え◆
(前略)面従腹背は、文科省による組織的な天下りの責任を取って辞職し、その後に安倍晋三政権を批判している前川喜平元次官の座右の銘で、著書のタイトルにもなっている。藤原氏は職員に「議論すべき時はきちんと意見を言っていただき、組織が決めたことには従う。決めた後、議論のプロセスをむやみに外に流さない」と求めた。(後略)
【藤原 誠氏】東大卒、82年旧文部省に入り、初等中等教育長などを経て17年7月から官房長。61歳。(後略)
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2018年9月 4日 (火)

前川喜平さん講演会のご案内

私は、江東区枝川にある朝鮮第二初級学校を支援する活動に、東京都との裁判以降、関わってきました。貴重な民族教育の場を守るため、学校を応援していきたいと思っています。

10月13日には、前川喜平さんの講演会を開催します。朝鮮学校に足を運び、知っていただくきっかけにもなればと願っています。以下、ご案内です。(枝川裁判の経過などはチラシをご覧下さい)
【前川喜平さん講演会in枝川のご案内】
前 文部科学省事務次官・前川喜平さんが、東京朝鮮第二初級学校で講演会を行います。高校無償化裁判では、陳述書を提出されている前川さんですが、朝鮮学校では初めての講演会となります。ぜひご参加下さい。なお、参加をご希望の方は、必ず事前のお申込みをお願い致します。
日時:2018年10月13日(土)
   午後4時30分開場、5時開始、7時終了予定
場所:東京朝鮮第二初級学校講堂 
  (江東区枝川1-11-26、「豊洲」駅から徒歩10分)
   ※地図は下記HPまたはチラシから、ご覧頂けます。
料金:800円(高校生500円・中学生以下無料)
定員:500人(先着順)
主催:枝川朝鮮学校支援都民基金
★参加を希望される方は、こちらのHPからお申し込み下さい。
1013omote72_2 裏面1013ura72_2 を印刷してファクスでお申し込み頂くこともできます。

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2018年8月27日 (月)

防災教育に参加して

 8月23日、地域の中学校で行われた防災宿泊訓練に参加してきました。今年で4回目のこの訓練は参加希望の生徒が学校に一泊して避難生活を疑似体験するもので、40名余の生徒が参加していました。

 グループ討論には私も参加しました。避難生活で下記のような事態が起きた時にどう判断するか、各自「はい」「いいえ」を出し合い、両者が納得できる方法を話し合うものです。難しくて考え込みましたが、どれも現実味のある質問です。避難所生活が始まれば意見の調整は不可欠です。難しいけれど役に立つ体験だと思いました。皆さんはどう考えますか?こうした実践的な防災教育は、ぜひこれからも続けてほしいと思います。

~~~~【グループ討論での質問】~~~~
第1問・あなたは「ペットの飼い主」です。
問題:自宅倒壊の危険があるため、避難所(中学校体育館)に避難しなければなりません。家族同然の飼い犬(大型犬)も一緒に避難所に連れて行く?

第2問・あなたは「5才の妹を連れた海辺に住む中学生」です。
問題:今、大きな地震が発生。その後、津波が最短20分で到達するとの防災無線放送を聞いた。親は不在。早速、妹と避難を始めるが、ご近所で足が悪く一人暮らしのおばあさんが気になる。声をかけて、一緒に避難する?

第3問・あなたは「被災地の受験生」です。
問題:避難所では人手が足りず、仕事を手伝う毎日。若くて体力があるととても感謝されている。しかし、勉強は手につかず、このままでは合格できないかもしれない。避難所の手伝いをやめて勉強に集中する?

第4問・あなたは「避難所の炊き出し係のリーダー」です。
問題:地震から7日間が経過。当初の混乱は収まり、少しずつ被災者も自主的な避難所運営を始めた。自宅で生活し、炊き出しの食事だけ避難所に取りに来る被災者が多く見られる。彼らの分まで食事を用意する?

~~~~~~~~~~~

※写真は、大地震が起きた後の状況をボードゲームで
疑似体験する防災用教材、『いえまですごろく』。
橋や道路が壊れたりする中で、近隣の人を助けたりしながら
自宅に帰ることをめざす。20180823

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2018年7月18日 (水)

子どもたちの熱中症の被害がなぜ続くのか

豊田市で、小学1年生が校外学習から戻った後、熱中症で命をおとしました。気候が、これまでの常識では考えられないほど変わってきているということです。ですが、暑さがどれほど厳しくても、猛暑の中での屋外行きを回避すれば、また戻った教室にエアコンが設置されていれば、子どもの命は守れたのではないかと、思わずにはいられません。

 

私自身も高校の時、縄跳びで「必ずできるように」とされた技ができず、教員からできるようになるまで放課後に練習することを、指示されたことがありました。放課後、暑さでフラフラになりながらも他の生徒たちと練習を続けて、日射病になりかけました。

 

その先生は指示だけ出してどこかへ行ってしまったのですが、私としては、先生に言われた以上は、苦しくても途中で練習をやめてはいけないと、頭から思い込んでいたのです。体調がギリギリになった段階で、練習はもう無理とようやく自分で中断し、倉庫の日陰で休んだので幸い大事には至りませんでしたが、その時点ではすでに、一緒に練習していた他の生徒に助けを求めるとか、校庭から保健室に行く体力さえありませんでした。その日体調が元に戻るまでに相当の時間がかかったことが、強く記憶に残っています。

 

自分が苦しいと感じた時に自分の判断で練習をやめていればよかったのですが、たとえ先生に指示されたことでも、自分の体調悪化にまでつながるようなことはしなくていい、と自信を持って判断できなかったのです。

 

子どもの権利条約にもうたわれているように、子どもは、守られる権利があります。ですが、今回の件で、実際には他のことが優先されたということはなかったのでしょうか。豊田市の学校長が「判断が甘かった」というなら、なぜ甘い判断をしてしまったのかが、きちんと検証されるべきです。

 

そして、これだけ熱中症の被害が出ているのですから、学校長や教員の責任では個々の判断がしづらいということなら、例えば、気温が32度以上の時は屋外活動は禁止、35度以上は休校にする、などの客観的な基準を、あらかじめ作成しておく必要があるのではないでしょうか。皆さんはどう思いますか。

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2018年7月14日 (土)

通学かばん、重くないですか

 先日、地域の中学校についての会合に参加してきました。意見交換の時間に「子どもたちの通学時のカバンや荷物がかなり重そうに見えますが、そのことについて学校で話し合いなどしていますか」と、私から先生にお尋ねしました。
 先生からは、10kgくらい重さがある場合もあること、以前に比べ教科書が大型化して、ページも増えたことが影響していると思います、とのお話でした。これを聞いて、子どもたちにはやはり相当重いのではないか、と感じました。
 
 実はこの「通学カバンが重い」という問題は、広島の中学生が動画をつくり問題提起をして話題になっています。その中学校ではサブかばんや部活道具なども含め18kgもあるカバンを何とかしたいと、生徒たち自身が動画を作って解決に向けてアピールしたのです。
 この広島の学校では、重たい原因の一つは、教材を置いて帰ってはいけないとされていたことでした。ですが、生徒たちの切実な訴えに、学校では先生たちが、自宅学習への影響や管理面での安全性などを検討した結果、今は国語と英語以外は、生徒たち自身の判断で持ち帰るものを決めることにしているそうです。
 カバンが重いと、大人でも疲れます。成長期の子どもたちが肩こりや腰痛にならないように、持ち帰りが必要なものと不要なものの区別が明確にされているのかについて、学校で話し合っていく必要があるのではないでしょうか。

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2018年7月 3日 (火)

道徳の教科化について

 小学校で今年4月から始まった「道徳」の教科化が中学校で来年4月から始まります。教科化とは、これまでの教科外の扱いから「格上げ」されるということです。これにより、検定教科書が使われるようになり、「評価」が行われるようになるということです。また内容では「礼儀」など必ず教えるべき項目が定められました。

 政府は教科化の理由としていじめ問題への対応をあげています。いじめ問題の背景にあるのは、一人ひとりを大切にし、多様性を認める価値観が十分に共有されていないことだと思います。

しかし、教科化により初めて行われた道徳の教科書の検定では、文科省が「学習指導要領の示す内容に照らして、扱いが不適切」「教科書全体で指導要領にある『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ』という点が足りない」と指摘し、出版社が「パン屋」を「和菓子屋」に、アスレチックの遊具で遊ぶ公園を、和楽器を売る店に差し替え改めた教材があったことが報道されています。

 パン屋を不適切とする国の指示に、戦争中、カタカナ言葉を漢字で言い換えたことに共通する考え方を感じてしまうのは私だけでしょうか。これでは多様性の尊重どころか、まったく逆に、国の指示する非常に狭い考え方へ、こどもたちを導くことにつながりかねません。また、現場の先生には、子どもの内面を評価することへの懸念と困惑が広がっています。
 中学の道徳の教科書の展示会が、区内で開催されています。私も行ってきました。教科書を実際に見て意見や感想を書くこともできます。お時間のある方はぜひ、直接ご覧いただければと思います。


<江東区内の教科書展示会> 午前9時~午後8時 
 下記の日程は中学の道徳教科書のみの展示です
◆砂町図書館 7月14日(土)~19日(木) (砂町文化センター内)
                 ※7/17(火)を除く。7/15(日)、7/16(月)は午後5時まで
◆深川図書館 7月 7日(土)~12日(木) ※7/9(月)を除く。7/8(日)は午後5時まで
◆豊洲図書館 6月30日(土)~7月5日(木) ※7/2(月)を除く。7/8(日)は午後5時まで

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2018年6月23日 (土)

教科書展示会に行ってみませんか

6月1日(金)~6月28日(木)まで、来年度以降に小・中学校及び義務教育学校、高等学校で使用する教科書見本の展示会が開かれています。会場は、東陽町の図書館向かいにある江東区教育センターの2階(江東区東陽2-3-6)です。意見や感想などを書くこともできます。
なお、中学校用の特別の教科道徳の教科書については、6月28日以降も、下記の日程で3ヶ所の図書館で見ることができます。ぜひ一度、ごらんになってみてはいかがでしょうか。
◆6月30日(土)~7月5日(木)※7月2日(月)を除く  豊洲図書館
◆7月7日(土)~7月12日(木)※7月9日(月)を除く  深川図書館
◆7月14日(土)~7月19日(木)※7月17日(火)を除く 砂町図書館

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2018年5月29日 (火)

楽しい!北欧の主権者教育

 5月26日に、緑の党・グリーンズジャパンの企画で、三井マリ子さんのお話を聞く機会がありました。三井さんは元都議会議員で、クオータ制(議席割り当て制)により女性議員を増やした北欧諸国を度々訪れ、画期的なとりくみを日本に伝えています。
 北欧諸国では、若い人に政治への興味を持ってもらうために様々な「主権者教育」を行っています。

ノルウェーの小学生5年生が、課外授業で関心あるテーマについて各政党にインタビューに行き、レポートにまとめた話。また、高校の生徒会が主催して各政党の討論会と模擬投票を行う活動。公開討論会にはすべての政党が参加して生徒の質問に答え、校内に設けた各政党の出店でも生徒たちとの対話が行われていました。

 主催は高校生ですが、予算はすべて国が出すそうです。各政党が、政策の違いはあっても討論会に参加するのは当たり前、という点に民主主義の熟度を感じました。
 こうした主権者教育と併せて、比例代表選挙であることが女性や若い人の政治への挑戦を後押ししています。候補者個人の知名度やお金を必要としない選挙になるからです。票数が議会構成にほぼ比例することから、投票率も8割と高いとのこと。

 国際的な会議で難しい話の調整を買って出るのは北欧の方たちが多いとのお話も聞きました。主権者教育は、選挙のためだけでなく、職場や社会の様々な場で必要とされる、議論をまとめるコミュニケーション力を育てるのではないかと思います。また何より、映像で、若い人たちが身を乗り出してとても楽しそうにしていたことが印象的でした。
 選挙制度を変えるには息の長い活動が必要ですが、日本においても、少しずつでもこうした取り組みが広まることを願っています。

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2018年3月19日 (月)

文科省による授業調査について

前・文部科学事務次官の前川喜平さんが名古屋市立中学で行った授業の内容について、文科省から市教委に報告するよう要請が行われた、というニュース。普通に考えて、一地方自治体での個別の授業内容に国が介入するなど、2つの意味で、考えられません。

一つには、なぜそこまでの具体的な情報を把握していたのか、ということです。文科省が、全国各地の学校で行われる授業について、講師や日時などのすべてについて把握しているとは考えられません。前川さんの日々の行動に関する個別的な情報収集活動が背景にあった可能性が考えられるということです。

二つ目は、前川さんご本人もコメントを発表しているように、個別の授業内容に国が介入することは教育基本法が禁じる「不当な介入」にあたる可能性がきわめて高いということです。何らの政治的な力の関与無しには、このような事態が起きるとは考えにくいと思います。

森友学園問題についての安倍総理の答弁もそうですが、国にとって都合のわるいことを封じ込めようとする動きがここまで露骨にされたことがあったでしょうか。おかしいことはおかしいと、言えるうちに言わなければいけない、と強く感じずにはいられません。

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2017年11月13日 (月)

外国籍の子どもたちに学習支援を

 江東区の今年1月1日の総人口は506,511人、そのうち外国籍の住民は26,077人と、約5%を占めています。江東区はいま、都内で新宿区・豊島区・港区に次いで、外国人住民の多い自治体となっているのです。私の住む団地でも中国から転入してくる方が、子育て世代を中心に、大変多くなっています。ご近所とのちょっとしたやりとりをしていると、日本で暮らす外国籍の人たちが日本語を身近で学べる場がもっとあれば、と痛感することがよくあります。特に、外国籍の子どもたちの学習支援が、子どもたちの将来にとっても、地域で多様な文化を持つ人たちが仲良く暮らすためにも、大きな課題だと感じます。
 外国籍の子どもたちの教育は、義務教育の対象外とされてしまっているため、大変手薄なのが実態です。とはいえ自治体の考え次第で、できることはたくさんあります。江東区の小学校では日本語の学習支援のため、年間30時間の個別指導が付く制度があります。大変良い制度ですが、年間30時間だと、生活に必要な日本語を教えるところまでで手一杯なのではないかと思われます。増え続ける外国籍の子どもたちに見合った、学習支援制度の充実が求められるのではないでしょうか。
 かつて広島市長をされていた秋葉忠利さんから「平和とは、多様性と寛容さ」という言葉をお聞きしたことがあります。育ってきた言葉も文化も異なる様々な人たちと、子どもたちへの支援を通じてご近所から仲良くしていくことも、ささやかですが、平和への「種まき」になるのではないでしょうか。

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